MYOKYOJI

2月の言葉と法話

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仏の光に 遠く棲むものは ついに心の眼を失う

仏壇の 花は慈悲を ローソクは智慧の光を表しています

  法話

 堀口大学さんの詩に、「深海魚、光に遠く棲むものは ついに眼を失うとあり」と、あります。海の底にすむ深海魚は、太陽の光が届かないので、ついに眼を失うのです。この詩を参考にして、「仏の光に遠く棲むものは、ついに心の眼を失う」と書きました。人間は光なくして何も見えません。光がなければ眼は必要ないのです。いま私たちは太陽の光、電気の光があるから自分の眼であらゆるものを見ています。太陽や電気が無ければ何も見えません。ただ太陽や電気の光があっても、大切なものは見えないのです。『星の王子さま』のなかに、「大切なものは眼で見えない、心で見ないとね」と、あります。 ある日小学生の孫が食べ物を粗末にしていたので、おばあちゃんが、 「食べ物を粗末にすると眼が見えなくなる」 と、注意したそうです。すると孫は、「おばあちゃん、眼は見えないことはないよ、よく見えるよ」と、すこしも聞いてくれなかったそうです。この言葉は何を教えているかと言うと、肉眼が見えなくなるということではありません。心の眼が見えなくなることを教えているのです。 いのちに対して、また作ってくださった方に対して、感謝やご恩、お陰さまと言うことが何も見えなくなることを教えているのです。 仏さまの光は、私たちの心の眼を開かせようと働いてくださっています。 仏壇のロウソクは、仏さまの智慧の光を表し、私たちの心の闇を破ってくださるのです 。

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