わが胸に鬼と仏が同居して、角を出したり手を合わせたり
しぶ柿のはだかにされて吊るされて、光におうて変わる味わい (駒澤イチエ)
法話
駒澤イチエさんの「しぶ柿」という詩を紹介します。
私はしぶ柿 しぶとさは芯の芯までしぶばかり
尊い他力にまかす時 自力の皮をはぎとられはだかにされてつるされて
恵みに光太陽の光の中に二十日間 変わらぬままに変わる身は不思議に変わる甘い味
すべて他力のお働き 光に逢うた幸せは不思議の中の不思議なり
年に一度の正月を迎える家族のだんらんの あの年越しのお茶うけに欠かしてならぬこの私
知人縁者に贈り物 着く先ごとに称賛のこの味の褒め言葉頂く私の身の幸せはすべて他力のお働き
お慈悲うれしやナムアミダ ご恩尊やナムアミダ ただ南無阿弥陀仏ナムアミダ
お慈悲の中に生かされて90才に手のとどく この老いぼれのよろこびは 南無阿弥陀仏の甘い味
ご恩うれしやナムアミダ お慈悲の中の日送りは浄土に帰る親子連れただ南無阿弥陀仏ナムアミダ