私の心が変わって救われるのではなく、阿弥陀さまの変わらぬお慈悲によって救われるのです。
法話
一般には、私の心が変わって救われると思われています。しかし私の心はなかなか変わりません。変わったと思っても縁ひとつでどうなるかわかりません。自我・我執や煩悩はなくなりません。今日一日腹を立てなかったのは私の心が良かったからではありません。たまたま腹を立てる縁がなかっただけです。長年修行した人が、「腹を立てなくなりました。愚痴も言わなくなりました」と言うと、その言葉を聞いてた人が「嘘をつけ」と言うと、その人は腹を立てて帰ったそうです。阿弥陀さまは、そんな私たちの姿を見抜いて、煩悩を持ったそのままの私を、そのまま救おうとお念仏になってくださったのです。阿弥陀さまは、私たちが背いても・逃げても・逆らっても、決して見捨てないと働きつづけてくださっているのです。その阿弥陀さまの変わらぬお慈悲が我が身に響き、届くことによって救われるのです。