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今月の言葉と法話: 2008年7月アーカイブ

2008年7月の言葉と法話

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・人は出会いによって育てられ、別れによって深められる
・思いどうりにしようという心が苦しみを生む


法話
 苦とは思いどうりにならないことであり、心身を悩まされて不安な状態をいいます。人は誰しも多かれ少なかれ、縁により思いどうりに したいという心を起こします。それが思いどうりにいかない時、苦しみが生じます。思いどうりにしようという心が苦しみを生んでいるの です。仏教では四苦八苦を教えています。生・老・病・死の四苦と愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦の四苦を合わせて四苦八 苦です。愛別離苦とは、愛するものと別れ離れなければならない苦しみです。怨憎会苦とは、怨み憎むものとも会わねばならない苦し みです。求不得苦とは、求めても得ることが出来ない苦しみです。五蘊盛苦とは、人間の心身を形成する五つの要素から生じる苦しみ です。
  苦とは思いどうりにしたいが思いどうりにならないから起こるのですから、個人的に違います。勉強や走ることが苦しみという人もいれ ば、勉強や走ることが好きですという人もいます。老いや病や死を受けとめている人には、あまり苦しみではなくなります。しかし私たち 凡夫は老いたくないし、病にもかかりたくないし、死にたくないです。だから苦しみなのです。
  仏教は私たちの苦の現実を教え、苦からの開放、苦を乗り越えていくことを教えているのです。私たちは嫌いな人や憎む人には会い たくないです。しかしその人たちから教えられ、学び、育てられることもあります。嫌いな人や憎む人から私の我の強さ、煩悩具足の凡 夫であることを教えられ気づかされます。「善い人に会って教えられ、悪い人に会って反省すれば善悪ともにありがたい」という言葉が ありました。また親しい人との別れから、いろいろなことを教えられます。いのちの尊さはかなさ、あたりまえではなくおかげさまの命で であること、いま出会っている生かされている喜びを教えられます。
  人は出会いによっていろいろ教えられ育てられ、別れによって命が深められていくのです。合掌

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